前回の記事では、高市政権下の金利上昇とインフレが、住宅ローン保有者にとってどれほど恐ろしいか(総支払額が1,200万円増える話)を解説しました。
少し不安に思った人もいますが、コインには裏と表があるように、実はインフレと金利上昇には「正の側面」もあります。
それは、「資産(モノ)の価値が勝手に増えていく」ということです。
今日は、銀行にお金を眠らせて、損する人から、インフレを味方につけて、得する人へ変わるための手段について解説したいと思います。
1. なぜ今、モノの値段が上がっているのか?
スーパーに行けば野菜が高い。ガソリンが高い。マンションが高い。 「不景気なのになぜ?」と思いませんか?
理由はシンプルです。「お金(円やドル)の価値が下がっているから」です。
コロナ禍で世界中の中央銀行がお金を大量に刷りました。
【米国中央銀行(FRB)の資産規模の推移】
- 2020年3月: 約4.5兆ドル(約700兆円)
- 2022年 : 約8.9兆ドル(約1,400兆円)(参考:日本のGDPは2024年で約600兆円)
わずか数年で、日本のGDPを超える量のお金が市場にばら撒かれたのです。 市場にお金が溢れかえった結果、お金の希少価値が下がり、相対的に「モノ(金、不動産、株)」の価値が上がりました。
証拠をお見せしましょう。これは「金(ゴールド)」の価格推移です。

金そのものの形や性質は変わっていません。変わったのは「お金の価値」です。 つまり、現金を握りしめているだけで、あなたの資産は毎日目減りしているのです。
2. 「最弱」の資産運用は何か?
では、インフレ時代にやってはいけない、「損確定」の行動とは何でしょうか。
- 【最悪】タンス預金: 泥棒リスクがある上に、インフレ率(例えば2%)の分だけ、毎年確実に価値が消滅します。
- 【次点】銀行預金・定期預金: 今のメガバンクの普通預金金利は0.1%程度(※2026年想定)。インフレ率が1〜2%なら、実質マイナスです。銀行は、あなたが預けたお金で「国債」を買って運用し、その利ざやを抜いています。つまり、銀行預金とは「銀行にピンハネされている国債投資」のようなものです。
- 【マシ】個人向け国債: 銀行預金よりはマシです。国が破綻しない限り元本保証で、銀行預金より高い金利がつきます。しかし、それでもインフレに勝てるほどの利回りは期待できません。
3. インフレに勝つ資産とは
デフレ時代はこの関係性は逆になる場合もあります。しかし、インフレで得する(資産を増やす)ためには、お金を「モノ」に変える必要があります。 代表的なのが「株(インデックス投資)」「不動産」「コモディティ(商品)」です。
① 不動産:現物購入は素人は危険?「REIT」という手段あり
「インフレに強いのは不動産」とよく言われます。家賃や物件価格が上がるからです。 しかし、素人が「投資用マンション」を買うのは自殺行為です。
- 借金(レバレッジ)のリスク: 数千万円のローンを組むため、金利上昇で破綻するリスクがある。
- 流動性の低さ: 売りたい時にすぐ売れない。
- 集中投資のリスク: その物件に欠陥があったら一発アウト。
- 物件の見極めリスク: 素人は優良物件を見分ける能力が低い(ほぼない)。悪質な物件を高値掴みするリスク大。
そこで私が推奨するのが「REIT(不動産投資信託)」です。 これは、投資家から集めたお金でプロが「オフィスビル」「物流倉庫」「商業施設」「住居用マンション」などを購入・運営し、家賃収入を分配してくれる仕組みです。
- 少額から買える: 数万円から投資可能。
- 東京の一等地のオーナーになれる: 個人では買えないような大手町のビルや巨大物流センターの利益を受け取れる。
- 借金不要: ローンを組まなくていいので、再起不能になるリスクがない。
② コモディティ:金や原油を持つ
「金(ゴールド)」や「原油」などの実物資産です。これらも現物を保管するのは大変なので、「コモディティETF(上場投資信託)」などを活用すれば、株式感覚で購入できます。
現物ではないため、保管コスト、スペースがかからずお手軽に投資できます。
デメリットとしては、配当がないため、全て価格の値動きに依存します。
4. 勝ち組の戦略:「分散」と「積立」
「じゃあ、全財産でREITやコモディティ(金, 原油 等)を買えばいいの?」 それは違います。REITやコモディティは、銀行預金と違って価格が変動します。暴落する時もあります。
実は金価格はかなりボラティリティ(値動き)が大きいです。
だからこそ「分散」が必要です。
- 株(成長力)
- REIT(インフレ耐性と配当)
- コモディティ(有事の金、インフレヘッジ)
これらを組み合わせることで、どれかが下がっても他がカバーし、全体として資産を守りながら増やすことができます。
投資の9割は「配分」で決まる
「株、不動産、金、債券、現金はどれくらいの割合で持てばいいの?」これは永遠のテーマですが、実は答えが出ています。
米国の著名な研究者、ゲーリー・P・ブリンソン氏らの研究によると、「ポートフォリオの運用成績の変動の 93.6% は、資産配分(アセット・アロケーション)によって説明できる」とされています。
【投資リターンの決定要因】
・資産配分(アセット・アロケーション):約94%(株,債券,現金などを割合で持つか)
・銘柄選択(ストック・ピッキング):約4%(トヨタを買うか、ソニーを買うかなど)
・マーケット・タイミング:約2%(いつ買っていつ売るか)
一般的な人は、安いときを見極めて買って、高くなったら売る、で儲けようと思っている人が大半です。しかし、現実は「どの株を買うか」よりも「何の資産を何割持つか」で勝負の9割が決まるのです。
あなたに最適な「黄金比率」は?
とはいえ、「何を何割買えばいいか」迷いますよね。 そこで、当研究所ではアセットアロケーション(資産配分)シミュレーターを用意しました。
どの資産を何割組み込んだら、リターンとリスクがどうなるか。 あなたのリスク許容度に合わせて、あなただけの「黄金比率」を見つけられますので是非試してください。
時間を味方につける
そして、決めた配分で「毎月コツコツ積み立てる」ことで、複利の力が働きます。
「年利5%(あなたが決めたポートフォリオ)で20年間、月5万円を投資した結果は?」 その答えは、積立投資シミュレーターで確認してみてください。驚くほど増えているはずです。
結論:インフレは怖くない。準備不足が怖いだけ。
インフレや金利上昇は、準備していない人(現金しか持っていない人)にとっては「搾取」ですが、準備している人(資産を持っている人)にとっては「追い風」です。
日経平均が上昇しているのを見て、お金持ちの話だから私に関係ないなど思ってはいけません。今は100円から投資できる時代です。面倒かもしれませんが、少しの努力が数年後に数百万円の差を生みます。
最後にまとめると、
- 現金を、REITやコモディティ、株などの「資産」に置き換える。
- 特定の資産に賭けず、分散投資でリスクを抑える。
- シミュレーターで将来の資産額を計算し、淡々と積み立てる。
これが正解です。
ただ、「理屈はわかったけど、実際にREITや投資信託の銘柄をどう選べばいいかわからない」「自分の年齢と家族構成で、リスクを取りすぎていないか不安」「具体的にどう動けばいいか分からない」という方もいるでしょう。
そんな時は、資産形成のプロであるFP(ファイナンシャルプランナー)に相談して、あなただけの「インフレに負けないポートフォリオ」を一緒に作ってもらいましょう。相談することが第一歩です。
最初の設計さえ間違えなければ、あとはインフレがあなたの資産を押し上げてくれます。
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- Qなぜ今、株高や物価高(インフレ)が起きているのですか?
- A
世の中に出回るお金の量が急増し、通貨の価値が下がっているからです。 コロナ禍以降、世界各国の中央銀行が大量にお金を供給(金融緩和)しました。モノの量は変わらないのにお金の量だけが増えたため、相対的にお金(現金)の価値が下がり、株や不動産、金などの「モノ」の価格が上昇しています。これを防ぐには、現金を資産に換える必要があります。
- Qインフレ対策として、銀行預金だけではダメですか?
- A
はい、資産が目減りする可能性が高いです。 インフレ率(物価上昇率)が銀行の預金金利を上回っている場合、銀行に預けているお金の実質的な価値は毎年減り続けます。例えばインフレ率が2%で金利が0.1%の場合、何もしなくても毎年資産が約1.9%ずつ減っていく計算になります。
- Q不動産投資をしたいですが、REITと現物不動産どちらが良いですか?
- A
初心者には圧倒的に「REIT(不動産投資信託)」をおすすめします。 現物不動産は一般的に数千万円のローン(借金)を組む必要があり、金利上昇リスクや空室リスクが集中します。一方、REITであれば数万円から投資可能で借金も不要です。また、プロが管理する複数の優良物件(オフィス、商業施設など)に分散投資できるため、リスクを抑えながら不動産オーナーの利益を享受できます。
- Qどの資産をどのくらいの割合で買えばいいですか?
- A
「アセットアロケーション(資産配分)」を決めることが重要です。 投資成果の9割以上は「銘柄選び」ではなく「資産配分」で決まると言われています。年齢や家族構成、リスク許容度によって最適な配分は異なります。まずはアセットアロケーションシミュレーターでご自身の黄金比率を確認し、ファイナンシャルプランナー(FP)等の専門家に相談しながらポートフォリオを組むことを推奨します。一度決めた配分は愚直に変えない握力が必要です。信じる力、配分を決めたときの納得感が問われます。

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