1. 資産が増えるほど、夜が怖くなる理由
総資産が5,000万円を超えた1年前、私の中に一つの「恐怖」が芽生えました。
「今、リーマンショック級の暴落が来たら、私の資産はどうなるのか?」
「資産が膨らんだとき、株式一辺倒で進めて、暴落が来たらメンタルが耐えられるか?」
現在の「株と現金だけ」の二極化ポートフォリオでは、暴落時の衝撃を和らげる「クッション」が圧倒的に不足しています。株式比率が高まれば高まるほど、現金比率は相対的に低下し、私の心理的許容度を超えようとしていました。
「100 – 年齢(40歳なら株式約60%)」という伝統的な考え方もありますが、今の時代は不確実な政治情勢、そして出口の見えないインフレが続いています。
「一般論」ではなく、もっと「論理的な根拠」に基づいた自分専用の盾が必要だ。 そう確信しました。
2. エンジニアの目で見直す「効率的フロンティア」
私は過去のデータを用い、各アセットクラスの相関性と期待リターンを計算しました。目指したのは、投資理論における「効率的フロンティア」上の最適解です。
※1 効率的フロンティアとは?
同じリスクで最大のリターンを、あるいは同じリターンで最小のリスクを実現するポートフォリオの組み合わせのことです。
参考:証券用語解説集|野村證券
参考:みずほ証券株式会社
シミュレーションの結果、導き出したリターン、リスク、そしてシャープレシオ(投資効率)が最も「心地よい」と感じた比率。それが、
【株 55:金 20:債券 5:REIT 5:現金 15】
という形でした。
今後このアセットアロケーションが計算できるシミュレーターも公開したいと思います。
3. 「理想」と「現実(NISA枠)」の葛藤
理論上の正解は出ました。本来なら今すぐ「売って、買って」とリバランスを行い、この比率に整えたいところです。
しかし、ここで新NISAの壁が立ちはだかります。
非課税枠を一度売却してしまうと、その枠を再利用できるのは翌年以降。また、つみたて投資枠はどうしても株式(投資信託)がメインになります。
「非課税メリットを捨ててまで、今すぐリバランスすべきか?」
悩んだ末に出した結論は、「新NISAの購入比率を変え、数年かけて徐々に黄金比へと近づけていく」という戦略です。
一瞬で理想の形にできないもどかしさはありますが、これが長期投資家としての「合理的な妥協」だと判断しました。
4. 2026年、私の「航海図」
2025年から、私の積立設定は劇的に変わりました。
- 成長投資枠を使い、ゴールドやREIT、債券を戦略的に買い増す。
- 全体のバランスを見ながら、株式一辺倒だった流れを「真の分散」へと引き戻す。
この数年がかりの移行計画こそが、1億円という目的地へ向かうための、私なりの「誠実な戦略」です。
まとめ:あなたの「心地よさ」はどこにありますか?
私の出した「55:5:20:5:15」は、私の年齢、私の職業(人的資本)、私のリスク耐性から導き出されたものです。
「オルカンだけでいいのか?」 「今の自分のリスクは、計算に基づいたものか?」
もしあなたが、増えていく資産を見て漠然とした不安を感じているなら、一度立ち止まって計算機を叩いてみてください。具体的な計算は難しいところがありますが、これに寄り添えるようシステムも準備予定です。
自分の家計の「負債」と「資産」を俯瞰し、論理的な裏付けを持つ。それだけで、暴落への恐怖は「計画の一部」に変わります。
待てないし、プロの話が聞きたい。「自分だけの効率的フロンティア」を見つける手助けが必要なら、一度プロの診断を仰いでみてください。
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よくある質問(FAQ)
Q:なぜ「オルカン(全世界株式)」だけではダメなのですか?
A:資産が少ないうちはオルカン一本で十分ですが、資産が数千万円規模になると「暴落時の絶対的な下落額」が大きくなります。また、株式はインフレ耐性はありますが、地政学リスク等には脆弱です。ゴールドや債券を組み合わせることで、リターンを維持しつつ、夜ぐっすり眠れる「下落耐性」を高めることができます。
Q:ゴールドを20%も持つのは多すぎませんか?
A:一般的には5〜10%と言われますが、2026年以降の不透明な政治情勢やインフレ継続を考慮し、私は20%としました。過去のデータ(効率的フロンティア)からも、株式と逆の動きをするゴールドを一定量持つことで、シャープレシオ(投資効率)が向上することが確認できています。
Q:新NISAの枠があるため、今すぐ売買してリバランスできません。どうすべき?
A:非課税メリットを捨てるのはもったいないため、無理に売却する必要はありません。私の戦略のように「新しく積み立てる分の比率」を変えることで、数年かけて理想の配分に近づけていくのが現実的で合理的な判断です。
Q:自分に最適なアセットアロケーションはどうやって計算すればいい?
A:年齢、職業(人的資本)、ローンの有無によって正解は一人ひとり異なります。当サイトでもシミュレーターを開発中ですが、個別の事情(家族構成や具体的な収支)を加味した「自分専用の黄金比」を知りたい場合は、プロのFPに相談してリスク許容度を測定してもらうのが最も正確です。
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