最近、ニュースで「日銀総裁の発言」や「利上げ」の話題を目にしない日はありません。 しかし、多くの変動金利ユーザー(または予備軍)はこう思っています。
「まあ、上がっても0.1%とかでしょ?」 「月々の支払いが数千円増えるくらいなら、飲み会を1回我慢すればいいや」
断言します。その「思考停止」が、あなたの人生から「老後資金2000万円」を丸ごと奪い去ります。
今回は、前回記事で紹介した「文京区に8,000万円のマンションを買った夫婦」を例に、金利がたった1%上がるだけで、どれだけの資産がドブに捨てられるのかを計算しました。
ランチ代の話ではありません。人生の資産形成の話です。
1. 金利1.0%の決定的な差
まず、単純な「銀行への支払い額」の変化を見てみましょう。
前回の記事で紹介した夫婦の事例は以下の通りです。
- 借入金額: 8,000万円
- 返済期間: 35年(元利均等)
現在のネット銀行の変動金利(0.6%程度)と、今後十分にあり得る「1%上昇後の世界(1.6%)」を比較します。
月々の支払いは「3.8万円」増える
- 金利 0.6%: 月々 211,237円 (元本+利息のみ)
- 金利 1.6%: 月々 248,935円 (元本+利息のみ)
- 差額: +37,698円 / 月
「月3.8万円か、きついけど何とかなるかな…」 この月3.8万円のインパクトは視点を変えると驚くべき金額になります。
総支払額は「1,580万円」増える
これを35年間払い続けるとどうなるか、総額で見てみましょう。
- 金利 0.6%の利息総額: 約 872万円
- 金利 1.6%の利息総額: 約 2,455万円
- 差額: +1,583万円
たった1%金利が違うだけで、1,580万円を余分に払うことになります。 1,580万円あれば何が買えますか? 高級車「メルセデス・ベンツ」のSクラスが新車で買えます。
金利が上がるということは、銀行員に「ベンツSクラスをプレゼントする」のと全く同じことなのです。 あなたは、ベンツを他人に貢ぐために働いているのですか?
2. 投資家視点:本当の恐怖は「4,000万円」の損失
しかし、私のような「投資家視点」で見ると、恐怖はベンツ1台では済みません。 本当のリスクは「機会損失」です。
もし、金利上昇で消えた「月々の差額 38,000円」が手元にあったとして、それをS&P500(年利5%)で淡々と積立投資していたらどうなっていたでしょうか?
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「消えた3.8万円」が生むはずだった未来
私がシミュレーションした結果は衝撃的です。
- 積立元本(単なる貯金): 約1,583万円 (毎月、3.8万円を35年間積立した場合)
- 35年後の資産評価額(年利5%複利): 約 4,317万円
4,317万円です。 「老後2000万円問題」が2回解決してお釣りが来る金額です。
金利上昇を「月々の支払い増」としてしか捉えていない人は、この視点が欠落しています。 あなたが変動金利の上昇を放置するということは、 「将来手に入るはずだった4,000万円の資産を、自ら放棄する」 という、投資戦略としてあり得ない選択をしているのです。
3. 「繰り上げ返済すればいい」という甘え
よく不動産屋のセールストークでこう言われます。 「金利が上がったら、繰り上げ返済して元本を減らせば大丈夫ですよ」
これも数字のトリックです。 繰り上げ返済をするためには、手元に「数百万〜一千万円の現金」が必要です。
もしその現金があるなら、それを住宅ローンの消込(利回り1〜2%程度の節約)に使うよりも、全世界株式などのインデックス投資(利回り5〜7%期待)に回したほうが、資産は増えるはずです。なぜなら、金利が1.6%に対して、利回りは5~7%あるため差額分だけ資産が増える可能性が高いからです。
- 金利上昇リスクに備えて現金をプールする
- 実際に上がったら、その現金を返済に充てる
この行動自体が、資金の効率を著しく下げています。 結局、巨額のローンを抱えた時点で、あなたは「資産形成のアクセル」を踏めない状態に陥っているのです。
4. 結論:あなたの「最適解」を知っていますか?
8,000万円のローンにおいて、金利1%の上昇は家計に大きな打撃を与えます。
- 直接的損失: ベンツSクラス1台分(約1,600万円)
- 機会損失: 老後資金2回分(約4,000万円)
「変動金利か、固定金利か」 この議論に正解はありません。正解は「あなたの資産状況」と「リスク許容度」によって変わるからです。
「自分は将来、年収が上がるから変動で耐えられる」「いや、教育費がかかるから固定で守りを固めたい」
もし、ご自身の借入額で「金利が上がったら具体的にいくら損するのか?」を知りたければ、まずはシミュレーターで計算してみてください。
ベンツ1台分をドブに捨てたくない方へ
「計算したら怖くなった」 「すでに変動で借りているが、借り換えすべきか?」 「これから借りるが、固定と変動のミックスがいいのか?」
この判断を間違えると、数千万円単位で生涯年収が変わります。 素人がブログ記事を読んだだけで判断するのは危険です。
必ず、中立な立場のプロ(FP)に、あなたの家計全体のバランスを見てもらってください。 「住宅ローン」単体ではなく、「教育費」「老後資金」「投資」を含めたトータルバランスで判断しないと、4,000万円の機会損失は防げません。
今なら無料で何度でも相談できます。 手遅れになって銀行にベンツをプレゼントする前に、プロの知恵を借りましょう。
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